バットコントロール
ペン習字に野球の話?
いえいえ、『ペンを自由に動かす』ことについての
お話です。
ペン先を思い通りにあやつる。
このスキルはかならず必要です。
真っすぐの縦線を書く。出来ますか?
そうです。たったこれだけのことでもなかなかむつかしいのです。
よく書店で見かける「たった一週間できれいな字が書ける」的は本がありますが、
ふざけるな、と言いたいですよね。
スポーツ選手は「体が自分の思うように瞬時に反応すること」を目標として、
日々反復練習に励んでいるのです。
バットコントロールとペンコントロール、同じです。
頭に描いたように筋肉が反応し、その先に伝達する。
そうです。
ペン習字もスポーツと考えると納得が出来ると思いませんか?
ではお手本とするバットコントロールの名人といえば・・・。
そうですね、イチロー選手で皆さん、異論はないでしょう。
イチロー選手は、小学6年生の時の作文に
「3歳から練習を始め、小学校3年の時から現在までは
365日中360日は激しい練習をしている。」
と書いています。
「夜中に合宿所にお化けが出る。」という噂が出て、
その正体がイチロー選手だったという逸話も有名ですよね。
その努力の結果が今のイチロー選手なら、その日その日の一回の素振りは
果たして何ミクロンの進化だったのでしょう。
ただ間違いなく、進化し続けたのだと思います。
そこまでの努力が必要とは言いませんが、その努力を続ける習慣が出来たことが、
実はとても凄いことだと思います。
野球は残念ながら体力的に出来なくなる日は来るでしょう。
特に一流アスリートとしての限界は結果として出てくるのでしょう。
ペン習字はどうでしょう。
殆ど死ぬ直前まで練習出来ると思いませんか。
そうです。
死ぬ直前が一番進化して、達筆になっているんですよ。
すばらしいと思いませんか?
自分の人生が終わるギリギリまで進化し続けるテーマがあるなんて
素敵だと思いませんか。
私自身は素晴らしい宝物を発見したような気持ちでいます。
話を戻しますが、練習することで上達するのであれば、
「正しい練習法をまず身に着ける」
「その練習を理解してから始める」
方が上達が早いと思いませんか?
〜〜 チチロー流 正しい練習法 〜〜
イチロー選手のお父様は練習代を捻出する為に趣味のゴルフも辞めて、
息子をバッティングセンターに通わせたそうです。
それでも厳しく注意したのが、
「ボールは振るな。
ストライクボールだけを打て。
全部ボールなら全部振るな。」
ボール球を振っていると、フォームが崩れ、
正しいフォームの練習にならないということだそうです。
私が親ならもったいなくて、来たボール全部振るように言います。(笑)
ゴルフでもよくありますよね。
ミスショットしたあと、「おかしいな〜」と言いながら、素振りしているシーン。
あれはミスショットした時に反復しているので、
「ミスショットがうまくなる練習」になってしまっています。
ナイスショットが出た時に、そのイメージを反復するのが正しい練習法なのです。
ペン習字もどうせやるなら、やたらめったらというよりは
質の高い練習をするのがいいと思います。
〜〜 やたらめったらの悪い例 〜〜
練習を始めた頃、びっくりするくらいペン先が思い通りに動きませんでした。
見本を見てやってるつもりが、何も変わらないのです。
全体がすごい右上がりなのはそのまま。今度こそ水平に! あれっ?
ペンペン跳ねるクセもそのまま。よし、この字は跳ねないぞ! あれっ?
クセ字がクセ字のまま。「の」はもっともっと丸く! あれっ?
真似るスキルがなかったようです。
すぐ横にお手本を置いても、書き終わるといつもの自分の字。 あれっ?
延々、こんなことを続けていたら、自分の悪いクセを
しっかり固めているようなものです。
よけいに直せなくなります。
確かに1行書くのにヘトヘトだったのが、5行くらいは続けて書けるようになったり
だとかペン習字の体力はつきましたが、
上手くなってない・・・。
クセが強固に・・・。
ヘタ字に向かっているような、魔のらせん階段の始まりでした(笑)。
野球でいう「良いフォーム」をチェックしながら、
練習するのは一人ではなかなか難しいかもしれません。
ペン習字はその辺は簡単ですよね。
すぐ横にお手本をおいて、ひたすら「真似る」でよいのですから。
しかしナメてはいけません。
私のように、クセ字をよりクセ字にする危険もはらんでいるからです。
何度か真似てみて、やはり真似るのがむつかしいようでしたら、
「なぞる」という手があります。
お手本の上に薄手の紙をおいて、透けて見えるお手本をなぞります。
真似た時と違った違和感がありましたら、それがあなたの強制ポイントです。
何度かなぞってから、その「違和感」を頭において、真似るにチャレンジしましょう。
私と比べて、グッと短縮された練習時間で矯正ができるでしょう。
それとともに、そのお手本をしっかり頭にとめ置いてください。
お手本が完全に頭に入ったら、あとはひたすらそのお手本に近づけるよう
ペン先をコントロールするフィジカルトレーニングになるのです。
お手本として頭に入った字については、いつなんどきでも練習が出来ます。
ふとした時間にメモ帳や裏紙があれば書けばよいですし、
通勤電車で立っているときにも太ももにエア練習すればよいのですから。
どんどん進化していきます。
最初はむしろ、自分の書きたいお手本を探すことが重要な前準備になります。
それと楷書、行書、草書の3体で書かれた辞書のような本があります。
一冊用意しておくと便利ですよ。
〜 私のおすすめ 2冊 〜
1. ペン字常用漢字の三体 日本習字普及協会 狩田巻山著
行書が、少し固めの行書、よりこなれた行書の2種ある場合が多く、参考になります。
・ 正しいペン字の学び方 集文館 三室小石著
行書の単語のお手本が多く、きれいな字のイメージが楽しく入ってきます。
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